秘密基地な東京オフィスにいらっしゃい

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タクトピアを含むハバタクグループは国内外6拠点をもっていますが、一応東京オフィスが本店となっています。昔は神田にあるシェアオフィスを借りていましたが、一昨年の夏から自分たち専有の空間を借りるようになりました。

このオフィス、めっちゃいいんです。愛していると言っても過言ではない。

ハバタクグループ7期目スタートパーティの様子。オフィスが広くなったことで数十名規模のイベントも開催できるようになりました。

場所は日本橋。もう少し具体的には日本橋大伝馬町。日本橋のなかでも江戸時代から続く問屋さんが軒を連ねるエリアです。

世界中同じ流れだと思いますが、ベンチャー企業は家賃が安くて手頃な物件が空くエリアに移ってきます。東京においてはそれがイースト・トーキョーだということですね。大伝馬町や馬喰町エリアは元禄時代から織物系の問屋さんが多かったので、もと倉庫の古いビルが空いていたりするのです。

Fast Companyにも選出されたMIT発のテックベンチャー、NVBOTSのAJ会長も来社。背景には日本初上陸の当社の3Dプリンター。彼らも最初はガレージからスタートしたそうです。

内装はみんなで作る

実は昨年の秋に同じビル内で引っ越しをして、広さが倍になりました。そこで内装を考えるためのワークショップを経営合宿@秋田で開催することに。

その後、内装木質化を推進しているkiki inc.さんに秋田杉を使った家具を作っていただいたり

その上に畳を敷いて小上がりコーナーを作ってみたり

浅草ののれん屋さんにのれんを作っていただいたり

いろいろと工夫を凝らしております。建物自体が古い代わりに大家さんからは「好きに使っていいよ〜」と言っていただいているので、毎日ちょっとずつチューンナップしている感じです。

私の趣味も多分にありますが、オシャレなエリアに完成されたサービスオフィスを借りるより、歴史的なストーリーのある土地で自分たちでオフィスを創っていく体験のほうがベンチャー企業の体質とよくマッチしているのだと思います。

 

オフィスが会社の「顔」となる

ベンチャーにとって収益が安定するまでは固定費をなるべく減らしたいものですし、私も賃貸契約を結ぶときにはドキドキしたものです。でも、この秘密基地的なオフィスにお客様をお呼びすることでタクトピアやハバタクグループがどんな会社なのかを雄弁に表現できるようになり、より強い関係をつくれるようになったと感じています。

同じビルの仲間、SPICE FACTORYさんがギターのライブをしてくださったことも。畳が舞台に早変わり。

特に、オフィスを見渡していただいた瞬間にお客様がどんな顔をしているか、何と発言するかによって「あ、この方はタクトピアと気が合いそうだな」など、直感が働くようになりました。

家具やパーツがすべて動かせるので、たまに大胆にレイアウトを変更して鍋会なんかもできちゃいます。

唯一の課題…寒い

いいことずくめの東京オフィスですが、この冬はとにかく寒いです。ビルが古いので断熱効果も薄く、部屋が広くなったのに暖房を増やしていなかったのです。そこで年が明けてから一気に対策をしました。断熱シートにラグを敷いて床からの寒さを防ぎ、今日はついにダイソンのファンヒーターが届きました。これでぐっと快適なオフィスライフになるはず!

快適に楽しく過ごせてなんぼのオフィスなので、これからも終わりなき改善を続けていこうと思います。

お付き合いのある皆さま、チャンスがありましたらぜひ私たちの東京オフィスにお立ち寄りください。

こんな場面も。けっして私が嶋津をいじめているのではありません。マッサージを手伝っているのです。こんなときも畳は万能です!

国内でグローバルな非日常

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こんにちは!タクトピア代表の長井です。関東でも寒波がビュンビュンで凍えるような毎日ですが、皆さんのところはいかがでしょうか。

タクトピアでは2016年の年末から2017年の年始まで、山梨・大阪・京都の3会場でスタディキャンプを実施しました。今シーズンは私もすべてのキャンプにアテンドできたので、今日の記事ではその裏側を書いてみたいと思います。

大阪府立箕面高校での集合写真。図書館を21世紀型に改装したメディアスペースを会場に使わせていただき、大盛況に終わりました。

タクトピアのスタディキャンプとは

もともとタクトピアではグローカル研修として海外研修を先行して実施していたのですが、徐々に学校の先生方から「海外もいいけど、すべての生徒が行けるわけではない。金銭面で苦しかったり、勇気がいまいち出なかったり…逆に『世界を日本に持ってくる』みたいなこと、できないですかね?」と相談を受けるようになりました。

たしかに海外に飛んでいくというのはいろいろな意味でハードルが高いものです。お金があって度胸のあるヤツだけついてこい、という会社になってしまっては私たちのミッションも完遂できません。というわけでキャンプの企画が始まったのが3年前です。幸い弊社には海外大学の卒業生がたくさんいるので、「海外大学生を日本に呼んで、ふだんの学校の授業ではできない学びの環境をつくる」というコンセプトで企画を始めました。海外大学生に関しては、これまでにMIT(マサチューセッツ工科大学)、ハーバード大学、UCバークレー、UCL(ロンドン大学)、オックスフォード大学と英米の大学からの参加を受け入れてきました。

参加者と海外大学生のひとりArnaldo。言語学の専門なだけあって、英語で苦労する生徒さんに対するサポートも素晴らしかったです。

キャンプの内容はいくつかの種類があり、リベラルアーツを主体とするもの・課題解決型・英語学習に重きを置くものなど様々です。しかし一貫して大事にしているポイントがあります。

 

スタディキャンプのポリシー

1.創造的なインタラクション(相互作用)

海外大学生は先生役というよりはプロジェクトの仲間であり、なるべくフラットな関係を築いてもらうことを重視しています。もちろん必要に応じて彼らには専門性を活かしたレクチャーをしてもらったり、海外での大学生活について教えてもらったりという役割をお願いしますが、それらはあくまでゴールに至るまでの第一ステップです。

みんなが輪になってアイデア出し。ワクワクするゴールに向かって議論を進めるうちに内容にのめり込み、英語は手段となっていきます。

2.プロジェクト型学習

全日程を通してゴールを設定し、最終日にはプレゼンその他の形式で発表(アウトプット)をしてもらう設計です。この発表に向かうまでのプロセスをプロジェクトとして仕立てており、その場においては参加者の生徒さんも海外大学生も立場はフラットです。英語コミュニケーションにトライしながらも彼らは共通のゴールに向かって協働していきます。

京都キャンプは同志社中学校・青翔開智中学校と開催。学校をつくろうプロジェクトと題し、最終発表は学校の経営陣になりきって自分たちの理想の学校をプレゼンしました。

3.ハンズオン

とはいえ英語コミュニケーションには苦労するのが参加者の常です。ですが「英語ができなきゃ参加できないよ」というキャンプにはしたくないため、内容の多くをワークショップ形式にして生徒さんが言語以外のものによっても(つまり、手や身体を使いながら)コミュニケーションしやすい場所の使い方、道具立てを工夫しています。

いきなりジャグリングに挑戦。山梨キャンプではimaginEX社のRaiki Machidaさん(写真左)にも講師として参加いただきました。同じくメガネ黒髪なのでRaikiさんと私が似ているという噂がありますが、イケメンでいい声なのがRaikiさんです。お間違えなく。ちなみに山梨キャンプには探究英語クラスを共同開催しているa.schoolさんの生徒さんも参戦してくれました。

これらに気をつけながら学校さんの教育目的と照らし合わせながら設計・運営するのは並大抵の苦労ではないですが、タクトピアでは嶋津幸樹を筆頭にチームを組み、海外大学生と事前に綿密に連携することで実現できています。身内ながらスゴイことだと思います。

また、日本で教育に携わる者としてとても嬉しいのは、毎シーズンの募集に対して海外大学生から8-10倍という倍率で応募があることです。日本の教育プロジェクトに熱意をもって応募してくれる大学生が海外にこんなにいる、という事実は驚きですし、タクトピアとしては海外大学生にも多くの機会を提供していきたいと願っています。

UCL(ロンドン大学)で開催されたタクトピアプログラムへの参加募集説明会。前回の参加者が体験を語ってくれています。こうした生態系づくりもタクトピアの目指したい世界観の一面です。

残念なこと。「エリート大学生が来る」という捉えられ方について

おかげさまでスタディキャンプは多くの学校さんからご相談いただいており、これからも広げていきたいと考えているところです。ただ、一点残念に思っている点があります。それは海外大学生に関して上記のような大学名の紹介をおこなうと、たまに先生方が「そんな大それた大学の方々に来てもらってもうちの生徒はきっと萎縮してしまいます」といった言い方をされることです。これについては2点言いたいことがあります。

  • まず、生徒さんの可能性を否定してほしくない。相手が誰であれ、生徒さんは柔軟にコミュニケーションして協働する意欲と力があることを、私たちはいままで何度も目にしてきました。
  • 私が上記のような大学生を自信をもって日本へ呼び寄せているのは、「彼らがエリートだから」ではなく「彼らが卓越したリーダーシップをもっているから」です。ここでいうリーダーシップとは国や文化の違いを受容して人を巻き込み協働できる力のことです。この点において海外大学生たちは良きお兄さんお姉さんとして身近なロールモデルとなってくれているのです。

今シーズン参加してくれた海外大学生たちと。各自が大学で学ぶ目的をしっかり持ち、日本の教育に熱意を燃やしてくれる素晴らしいリーダーです。

 

日常と非日常のサイクル

最後にスタディキャンプを学校さんと共同でおこなうことの意義について。日本でもグローバルや英語をテーマにしたスタディキャンプがだいぶ増えてきた印象がありますが、よく聞かれるのが「短い期間キャンプに参加したからといって本当に何かが身につくのですか」という質問です。私の意見としては「力をつけるのはあくまで日常の学習。キャンプは学習モチベーションを向上させたり将来の指針を得るための原体験の場」です。この意味で、日々の学習を着実に推進する学校さんと、短期間ながら強烈な体験を提供できるタクトピアとのコラボーレーションが活きるのだと考えています。

事実、昨年の夏にスタディキャンプに参加してくれた女子高生がその後海外へ目を向けるようになり、年始にボストンで開催されたMITのプログラムに乗り込んでいった(なんと、これが初めての海外渡航だったそうです)、ということも起きています。スポーツと同じで、パフォーマンスに影響するのは日々のトレーニングだけでなく、原体験やモチベーションも然りだと思うのです。

 

社内では早くも夏のスタディキャンプの計画が始まっていますし、今年は春期にも実験的に実施するかもしれません。タクトピアのスタディキャンプに引き続きご注目ください!

 

今週の1枚

日本橋の歴史あるエリア(つまり古いビル)にある秘密基地的なタクトピア東京オフィス。寒さに負けず快適に過ごすために床にラグを敷くことにしました。断熱シートを挟むことで体感6℃は違うという噂も?みんなで少しずつオフィスを育てていくのは楽しいものです。

なくてもできる、ないからできる

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みなさんこんにちは!タクトピア代表の長井です。ブログの投稿は2回めなのですが、まだ何を書こうか迷っています…笑 いろいろな仕事の話もしたいのですが「その前にお前は誰やねん」というツッコミが聞こえてきそうなので、私についても紹介させてください。

まとまった自己紹介は以前にインタビューいただいたこちらの記事こちらの記事を見ていただくとして(感謝!)、今回は最近よく質問される項目を中心に語っていきたいと思います。

 

◆教育のバックグラウンドはナシ

教育学部出身だったり、教職免許を持っていたり、学生時代に熱心に教育プロジェクトに参加していたりしたわけではありません。私の興味は一貫して音楽(とくにクラシック音楽)にあり、若気の至りで藝大に行きたいと思ってしまうレベルでバッハ狂です。結果的には夢破れて東大にいくことになりましたが、そこでも美学藝術学研究室に入って修士課程まで研究を続けました。

唯一教育的なバックグラウンドと呼べるものは、IBMのコンサル部門(当時はIBCS)にいた際に新人育成プロジェクトに参画し、レクチャーの設計方法やPBL(Project Based Learning)の基礎を学んだことです。

IBCS時代。社内育成プロジェクトに関わった同期10人のうち、3人(左から小原、丑田、私)がハバタクの創業メンバーとなった。

その他の記事でも語っているとおり、IBMにいた際にリーマン・ショックを経験したことで教育への問題意識をもつに至りました。既存の教育業界に属さないので先入観なしにいまの教育を見つめることができ、ある意味空気を読まず変革に向けて動けるのが私の強みかなと思っています。

 

◆グローバルな経歴もナシ

千葉県の中高一貫校から東大に進み、そのまま就職してしまったため海外への進学/留学経験がありません。結論から言うととても後悔しています。いまの知識をもった状態で中高生に生まれ変われるなら迷わず海外へ行きたいと思うのですが。もちろんこれからもチャンスがあるとは思いますが、若き日々は還ってきません…

しいて短期留学らしき経験を挙げるとすれば、大学時代に所属していた運動会少林寺拳法部から選抜していただいて参加した武術交流のプログラムです。オリンピック選手が多数所属する北京体育大学に泊まり込んで中国の武術家の卵たちと交流した経験はとても貴重でした。文部科学省に感謝です。

東大少林寺拳法部は演武も乱捕もこなす強豪校。写真は初めて大会に出たときのもの。

タクトピアには海外経験豊富なメンバーが溢れているので、私のカゲの薄いことといったらありません。ですが、メンバーに活躍してもらうのが一番なので経営者としての私はもっぱら雑用力を鍛えるのみです。また、一般的な学生さんやお客様の視点と一番近いところにいると自認しているので、プログラムを開発していくうえで逆に自分の感覚を利用できるという強みがあります。

 

◆たぶん起業家体質でも、ない

私はもともとどちらかというと保守的なほうでしたし、ひとりで起業を決意できるような度胸もなかったと思います。私にとって幸運だったのは、2010年にハバタクを起業するにあたってIBMの同期だった丑田俊輔と小原祥嵩の2人が仲間だったことです。3人が集まることで問題意識を共有し、事業のアイデアを練り、会社を辞めて独立するという決意ができました。

超余談ですが私はピアノも連弾のほうが好きだったり、少林寺拳法でも多人数での演武を得意としていたりとチームワーク適性だけはあったので、そこが功を奏しているのかもしれません。

連弾を組んでいた弟と。髪型の違いがジェネレーションギャップを感じさせる。CDっぽい装丁は当時ネタで作りました。

起業はスティーブ・ジョブズのような孤高の天才がするようなイメージがいまだに蔓延していそうですが、最近の研究ではチームワークの有効性が実証されつつあります。その意味では私のようなタイプは実は起業シーンにもっと需要があるのではないか…などと都合のよい妄想もしています。

自己紹介についてはそれぞれ細かく語るとキリがないのですが、需要がありそうでしたら別に記事を立てて語りたいと思います。

そういうわけで禅問答みたいな自己紹介ですが、「ない」から物事を諦めるのではなく、「ない」ことも武器にしていけるのだなと思うようになった今日このごろです。そんな人間が社長をやるとどんな面白い事業が繰り広げられることになるのか、今後の記事を楽しみにしていてください!

 

今週の1枚

神奈川県にある私立男子校・聖光学院さんで、3月に実施する海外研修のキックオフをおこないました。自分たちで訪問したい人や企業を調べあげ、アポをとる順番を投票で決めたりと、とてもアクティブです。次に会うのは事前研修ですね。楽しみにしています!

タクトピア代表のブログをはじめます

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こんにちは、タクトピア株式会社代表の長井(ゆう)です。2017年のはじまりとともにブログを開始することにしました。

今回は初回なので具体的なオハナシというよりはこのブログの目指すところを明らかにしてみようと思います。

私はもともと遅筆なのでブログに向いていないのですが、タクトピアも2期目の終わりが見えてきたこのタイミングになると、そうも言っていられない事態が出来してまいりました。ちょうどその説明をすることがブログの目的とタクトピアという会社のざっくりした紹介になると思うので、書いてみます。

 

ブログの目的は以下の4つです。

 

  1. タクトピアを知ってもらう(学生さんに)

    これは、そのまんま広報活動という意味合いもありますし、アントレプレナーシップを教えている一人として「スタートアップ的な企業の中の人がどんなことを考えて毎日を送っているのか」という情報がもっと世の中に発信されてしかるべき、と考えるようになったからでもあります。世の中に発信される情報はなんだかんだ言って大きく成功しているスタートアップ企業からのものが多いですが(もちろんそれは素晴らしいことですが)、もっと泥臭いレベルの情報が学生さんにとって身近なものになることで、アントレプレナーシップを学ぶことのハードルがより低くなるのではないかと思っています。というわけで、このブログでは【泥臭いスタートアップ企業の裏側情報】を載せていきます。

  2. タクトピアを知ってもらう(まだ見ぬ将来の仲間たちへ)

    おかげさまでタクトピアがどんどん成長しはじめており、経営者としては採用がかなり重要な課題になってまいりました。しかしタクトピアに必要な人物像というのは既存のカテゴリに当てはまるわけではないので人材エージェントさんにひょいとお願いして即解決、ともならないのです。採用ページもこれから本気で作りますが、大学のオープンキャンパスがどこかよそよそしいものになってしまうのと同じで、もう少しカジュアルな言葉で、具体的な場面とともに【タクトピアの理念や大切にしていること】などを発信していけたらと思います。そしてタクトピアの考えに共感していただける方との出会いをもっと増やしていきたいです。

  1. タクトピアを知ってもらう(メンバーのみんなへ)

    ハバタクの立ち上げから数えると丸6年と数ヶ月を経過して、短いながらスタートアップ企業としての歴史とか紆余曲折といったものが蓄積してきました。が、新しく入社してくるメンバーに向けて体系だった情報が提供できていないのが現状です。これを機に【タクトピア・ハバタクのこれまでの軌跡】を整理し、仲間たちが同じ視点で同じ視座に立てるようにしていきたいと思います。このなかには、これまで私達を助けてくださった素晴らしい方々の紹介も含まれていくことになると思います。

  1. タクトピアを知ってもらう(家族へ)

    最後に、これは私事ですが、いつも無茶な活動をしている私を支えてくれている家族への情報発信も兼ねてやっていこうと思います。とくにわんぱくざかりの二人の娘には、これから文字が読めるようになったらこのブログを見て、父親がどんなことを考えて仕事をしているのか知ってもらえたらと願っています。たいていこういう取り組みは父親側の片思いで終わるのでしょうが…でも、願っています。

 

以上簡単ですが、このブログで書いていきたいことをまとめて所信表明とします。果たしてうまく書き続けられるのかドキドキです!これからもどうぞお付き合いのほど、よろしくお願い致します。